(英語)「行為や状態はひとまとまりのもの」という発想 [誰も教えなかった英会話学習法]
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[今日の学習]
いくら英会話学習を続けても、なかなか自由な会話ができない。
どうしてそうなのか。
意味ある動詞フレーズや補語フレーズなどのワンフレーズ表現をどのようにして展開していけるか、これが絶対に欠かせないことばとしての学習なのにそれがまったくできないのが日本人の現実です。
ファンクションフレーズと動詞(補語)フレーズの組み合わせで英文を生産するという、世界中で英語学習をしている人たちが「当たり前」としている英語のとらえ方ができていないということです。
以下は私が2003年に著した本からの記事の転載です。
「ムリなく話せる イメトレ英語学習法」日本実業出版社刊
中嶋太一郎著
Coffee Room
11. 英語を切りきざまないで!
中嶋: Kenny,以前あなたは、「日本人はふつう、学校で何年英語を学んでいるんだ」とぼくに聞いたことがあるね。
Kenny: そう、中嶋さんが「だいたい6年だ、あるいは大学に行くと10年になる人もいる」と聞いたとき、思わず絶句したことを今でも覚えてるよ。
中嶋: 日本人の英語ベタ、あのTOEIC試験で平均点がアジア32カ国中31位という無惨なものだよ。その最も大きな原因は、「英語の先生がいるから日本人は英語が話せない」とぼくは考えている。
このことはぼくだけではなく、大前研一氏もその著書で述べている。英語の先生が、英語を話せるようになるための障壁となっているわけだ。
Kenny: でも、「話せない」だけじゃなく、31位という成績は、英語の先生が誇る読解や文法もダメだということだよ。実際、試験の結果を見てみるとリスニングの方がいい点をとっている。
中
嶋:
英会話の先生も、英会話の文法書などを見ても、「5文型は基礎だ」とか「中学の文法くらいは身につけなさい」などと気楽にアドバイスしたり、書いたりして
いるが、本当にそうだろうか。この日本の英語教育には致命的な問題があるということを、彼らはわかっていないと思うよ。
Kenny: 具体的に説明してください。英語の先生が英語を話せない、といったことですか?
中
嶋:そうではないよ。英語をすらすら話せなくても英語の発想は教えることができる。むしろ日本語できちんと教えるべきだ。英語は日本人が母国語できちんと
教えるべきなんだ。私は日本語をまったく話せない英語教師よりもずっといいと思っている。よくネイティブに教えてもらいさえすれば、英語か話せると思い込
んでいる人は多いが、これはそんな簡単なものではないよ。
具体的に説明しよう。問題は、日本の英語教育では、ただただ読解のために「ひとまとまりの行為や状態」を切りきざんで教えていることだよ。たとえば、日本の英語教育や英会話の本では,次のように教えている。
(1) Drink milk!
V O
(2) I + drink + milk.
S V O
(3) I + don't drink + milk.
S V O
(4) I + will drink + milk.
S V O
(5) I + will be able to drink + milk.
S V O
(6) I + don't have to drink + milk.
S V O
(7) I + am drinking + milk. 進行形
S V O
(8) I + like + drinking + milk. 動名詞が目的語に
S V O
(9) I + have just drunk + milk.
S V O
(10) I + want to + drink + milk. to不定詞が目的語に
S V O
(11) I + want +you+ to drink + milk. to不定詞が目的格補語に
S V O C
※ S=主語、V=動詞、 O=目的語、C=補語
Kenny: まさしく、「ひとまとまりの行為や状態」が切り刻まれてしまっているね。ぼくたちネイティブは、drink milk、drinking milk, drunk milkだけで、その自体のイメージを持って話してるのにね。
このような教え方では、いつまでも英語が言葉として身につかないわけだよ。
中
嶋:
こういう教え方になっているのは、読解のためだよ。読解のための英語教育からいまだに抜け出せないのが現実なんだ。彼らの頭では、5文型理論は「絶対に崩
せない」ことなんだ。つまり(2)の基本文がSVOだから、これがどんな形になっても、SVOを維持するわけだよ。
でもこれは読解のため
にはとても便利なもので、まずSを訳し(私は)、Oを訳し(ミルクを)、そしてVの部分を「飲まない」「飲むつもりだ」「飲むことができるだろう」「飲む
必要はない」「飲んでいる」「飲んだところだ」と訳すと日本語訳ができあがことになる。これが「後戻り訳」というものだ。
確かに、これは
便利なものだが、こんな教え方では「助動詞は原形の動詞をとる」とか、「進行形はbe動詞+現在分詞」とか、「現在完了形はhave+過去分詞」などとし
かとらえることができないことだよ。そんな無機的な学習が英語の学習だと勘違いしている。逆に言えば、話せなくてもこれらの文法さえ覚えていたら、英語の
テストでは確実に点数がとれるということだ。実は、英語が話せない英語教師の問題というのはここにあると思うよ。
Kenny:問題は、英語教師が自分が勝ち抜いてきた受験の成果でしか英語を教えていないということだね。
中嶋: だからいつまでも英語教育は進化しないいうわけだよ。
英文のしくみをファンクションフレーズと動詞フレーズの結びつきだとするファンクションメソッドでは、英語のしくみはとてもシンプルなものになるよ。
(1) Drink milk!
牛乳を飲みなさい
(2) I drink milk.
(ふだん)牛乳を飲んでいる
(3) I don't drink milk.
(ふだん)牛乳を飲んでいない
(4) I will drink milk.
(これから)牛乳を飲む
(5) I will be able to drink milk.
(これから)牛乳を飲むことができるでしょう
(6) I don't have to drink milk.
牛乳を飲む必要はない
(7) I am drinking milk.
(今)牛乳を飲んでいる
(8) I like drinking milk.
牛乳を飲むのが好きだ
(9) I have just drunk milk.
(ちょうど)牛乳を飲んだところです
(10) I want to drink milk.
牛乳を飲みたい
(11) I want you to drink milk.
あなたに牛乳を飲んでもらいたい
「ネ
イティブが選んだ日常会話必須62動詞HTML版」が二色刷りとなっていたり、カーソールを当てると動詞・補語フリーズが浮かび上がる工夫をしていること
も、あるいは「サクサク瞬間英作トレーニング62動詞編PDF版」が動詞・補語フリーズを元にしてファンクションフレーズを結びつけて英文を生産する工夫
をしているのは実は、この英語の発想を身につけていただくためなのです。
[当研究会からのお知らせ]
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